いたずら電話

陽光が僕に降り注いでいた
仕事に奪われていた時間の流れのなかでは天空からの視線を感じることはなかった
今僕に注がれているその視線は僕を再びとらえたと言うことではなく、見つめてはいるけれども、その存在を決して肯定はしない、他人行儀なものであった。
忙しさに邁進して、とても生産的で有意義な時間の流れの合間に僕をのぞき込む陽光はとても優しかったのに、今注がれているものは暖かくもなく冷たくもなく、ぼくを卑劣な意味で解き放ち、路傍の石程度にしか僕をとらえないものだった。
僕は怖かった
僕はとても怖かった
社会に対して意味をなしていない自分自身が・・・
休職願いを出してからもう数日間がたっていた
具体的な数字が出てこない
最初の日社会的な時間がストップしたことに僕は混乱していた・・・

「私の連絡が来るまで待っていてください。しばらくは自分のことを考えて見るのもいい かもしれませんね・・それがつらくなったら(多分そうなるでしょう)私のことだけ考 えてください」

自分がたった一人の女に誇りであった職を奪われ、無為を強要されることが受け入れることが出来なかった。この状況を打破しようと頭脳を働き架けることもあった。
だけど良い得策は探れなかった。社会に放逐されたこの揺るぎないかたちは僕の生産的な力をあり地獄の中に飲み込むように奪っていった。
自業自得で会ったという認識が殊更僕に絶望感を与えました。
やがて歪んでただれた欲望の中でしか、僕はその絶望感から逃げられないことに気付きました。忘我のためには美香の存在にひれ伏すのが一番次の呼吸をしやすいことなのだと思うしか有りませんでした。
そのことを認める苦悩が僕の欲望と混ぜ合わさります。
美香の言う通り生産的なことを考えることが苦痛になってきました。
美香に汚染されていくことが僕にふさわしいと自分を認めてあげることが僕の甘味な逃げ道でした。
美香の艶やかな顔、優美にくびれた腰、足首、白い肌、静脈の浮いた大腿・・・
涙が出てきました。切なさが陰茎を張りつめさせました・・・
彼女のパンティの布地を拡げ、絶望感と高揚感の入り交じった喘ぎ声を上げ
鼻を鳴らして匂いを嗅ぎ、節操のない猿のように陰棒を握りしめしこしこオナニーしました。何度も何度も・・・・何度も何度も・・・しこしこしこしこと・・・
僕のカロリーは全てオナニーに費やされました・・・・

時間の間尺が狂い始めます
僕はオナニーをしながら、同じようにオナニーしてた、美香に見咎められた最初の夜のことを思い出します・・
僕は美香の自宅の電話に無言電話をする癖を持っていました。
もちろん非通知の設定にして・・・
ぬちゃぬちゃと怒張した陰茎をこすりながら、喘ぎ声を涎と一緒に唇の端から垂れ流しながら・・・
その夜も僕はキャンギャルパラダイスという雑誌を拡げて、美香がエクリプスのレースクイーンをしていたときの写真に見とれていました。
この暗い部屋の雰囲気まで変えてしまいそうな艶やかな笑顔・・・
まるでこの堕落したふしだらな僕を興味本位で見つめているような瞳・・・
レオタードから延びる優美な脚線・・・・
ぎりぎりの角度のまぶしいばかりの股布・・・
白く静脈の浮いた肌・・・
僕は暗い青春に舞い戻ったかのようにしこしこ扱きました
たまらない気持ちがどんどん募っていきました・・
ほとんど無意識に震える手が受話器の方に伸びていきます
美香の声が聞きたい・・・
すぐ切られてもいい。一瞬でも同じ時間を共有したい・・・
彼女が僕を認識していないやるせなさがあっても・・・
何度も掛けているので暗記している彼女の自宅の電話番号をダイアルしました
切ない気持ちが目頭を熱くします
プルルルル・・プルルルルル・・・
煩悩に濁った精液が尿道を通りとろりとたれてきたのがわかりました
彼女のもしもしという声だけでどくどく流れ出てくるかもしれないと泣きたい気持ちになりました。
プルルルルル・・・プルルルルル・・・プルルルル・・プルルルルル・・・
心臓がドキドキしているのがよくわかりました
「あ・・はい・・もしもし?」
はあはあはあ、ああ
彼女は少しあわてたような声で電話に出ました
またひとすじ惨めな精液が垂れました
僕はどくどくするのを必死に我慢しました
この卑猥で危険な時間をすぐに終わらせたくなかったのです
ああ、はふう
僕はその精液を指で掬い唇に塗りました
「・・・・・・・・」
彼女はまたいつもの変態電話であることに気付いたようでこちらの様子をうかがっているのが判ります。
はあはあ・・うふうん・はあはあはあ
いつもだったらすぐに切ってしまう彼女がその夜は切ろうとしませんでした
情欲に晒されている僕はそのことになんの疑問も持つことなくオナニーをせき込むように続けました。
しゅこしゅこしゅこと卑猥な音がします。この音は美香に伝わっているのだろうか。
そんな低脳な期待に胸を膨らませながら扱き続けました
あはあ、はあ、あふ
「・・・・・・・・・・・・・」
彼女がこちらを伺っているのが伝わってきます
同じ時空を共有していることにたまらない気持ちが増幅します
しゅこしゅこしゅこしゅこ
卑猥な動作のリフレインは続きました・・・・
「・・・あなた、なにしてるの?」
時空を凍り付かせるかのような彼女の言葉が聞こえました
あは・・あ・・はあはあ・・は
しゅこっ しゅこっ シコシコしこ ・・・しゅこしゅこしゅこ
フハフハフハ
「・・ねえ・・言ってごらん・・小さな声でいいから」
あはああああ
「・・言葉にしていってごらん・・大丈夫だから」
彼女の諭すような口調に導かれるような思いでした・・
・・・・おなに・・
僕は自分の声と判らないように囁くように言いました
「そうなんだ・・おなにーすると私の声聞きたくなるんだ」
あああはあ・・・はああ
しゅこっ、しゅこしゅこしゅこっ・・しこしこしこしこしこしこ
尿道口から精液がどろりと溢れてくるように涙も溢れてきました
「・・・私のことが好きなの?」
はい
猫なで声で僕は答えました
「泣いてるの?」
はあああああああ
「どうして泣くの?」
美香は少し笑いました
「きもちいの?」
ぬちゃぬちゃ・・しゅこしゅこっ・・ちゃっ
「切ないの?」
はい
「あなた・・・・もしかしてエムなの?」
ああああああああああああああ・・・ははああああ
「そうなの? 応えて・・・」
・・・・・はい
「・・・・そうなんだあ」
かすかに僕は危険を感じ始めました
「私にいじめられたいんだ・・・」
精液をどくどく出したくてたまらなくなりました
彼女はそれを察知したようでした
「いきそうなの? 息が荒くなってるよ」

はい
「じゃあね、行くとき。言ってみて、僕行きますって・・聞いてててあげるから」
はい・・・
ああああ・・・いきます・・いきそうです
彼女の笑い声が聞こえました
「変態・・・番号通知出てますよ・・浅野さん」
陰茎が激しく脈打ち、夥しい量の濁った精液が顔面に飛んできました・・・
心臓が破裂しそうになりながら僕は自分の声とは思えない不気味な喘ぎを漏らしながら電話を切りました
まだ精液が飛び散ってきていました・・・
僕の社会からの落伍の始まりでした・・・
どくんどくんとまだ肉棒は脈打っていました






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